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○就職ってどうなの?

2008年の世界不況以前に、フリーターがよく言ってたこと。
「就職したやつより俺の方がよく稼いでるぜ」
「バイトの方が気楽だよ、いつでも休めるもん」

 これはウソだ。世間に対して無知なだけ。
 大学卒の人が就職して1年目にもらう給料は、平均すると20万円弱。
そこから税金や健康保険、年金とかいろいろ引かれると手元に残るのは15万円弱になる。
 アルバイトだと引かれるのは税金だけ。月20日働けば20万円以上にはなるから、
手元に18万円くらいは残る。多い? とにかくみんなそこしか見ていない。

 会社は、実は、保険や年金の半分を負担してくれてる。他にも福利厚生と言って
社員のために給料以外のいろんな負担をしてくれてる。アルバイトだとほとんどの場合、
そんな負担はしてくれない。
 給料とは別にボーナスもある。業績のいい会社だと1回で給料2ヶ月分くらい。
年間だと4ヶ月分にもなる。業績が悪くても1ヶ月分くらいはもらえるはずだ。
 有給休暇といって、休んでもちゃんと給料がもらえる制度もある。年間20日くらい。
20日連続で休ませてくれるような会社はまずないけどね。
アルバイトでも長く勤めれば法律で有給休暇はもらえることになってるけど、
実際にはよほどちゃんとした会社でないとそんなことはさせてくれない。

 さて、30才くらいになると給料はどうなってるだろう?
 8年目とすると、20万円だった給料は30万円前後にはなってる。
年収で400万円くらいにはなってるかもね。もしそこで辞めてももうそこそこの退職金がもらえるはずだ。
アルバイトでは? 時給は少しは上がってるだろう。でも年収は300万円には届かないだろうなあ。
ちょこちょこ休んだりしてると200万ちょっとってところかな。

 では、新卒で就職するのと、後から就職するのとでは何か差があるのだろうか?


○新卒で就職して得なこと

 大学を卒業してしばらくフリーター生活を送ったとする。で、何年かして就職を考える。
そういう余裕があってもいいよねえ。…と思う人も多いだろうけど、
「派遣切り」のニュースではっきりしてきたように、いったん正社員の道からドロップアウトすると、
正社員の道に戻るのはめちゃくちゃ大変だ。よほどの技術や経験がないと面接にさえたどりつけない
という現実が待っている。

 新卒で入社していいことって他にもある。一番いいのは、
会社がいろんなことを教えてくれるってこと。仕事のことはもちろん、マナーとか、
対外的な付き合い方とかいろんなこと。少なくとも数ヶ月、親切な会社だと1年くらいかけて
研修とか、必要な資格を取得するための勉強とか、いろいろ助けてくれる。
 これが中途採用だとそうはいかない。即戦力で当たり前だからねえ。
「社会人経験がないならこんなこと知らんで当たり前やな」と思われるのと
「その年になってこんなこともできへんのかいな」と思われるのの差は大きいよぉ。


○早く始めるほど有利なことってある

 例えば漫画家になるなら、若いうちにデビューするってのが普通。
遅くとも23、4才ではデビューしてないとつらい。年齢が高くなると出版社に持って行っても
原稿をちゃんと見てもらえなかったりする。
 漫画は極端な例だけど、建築デザイナーとか看護士とか学校の先生とか、公務員とか
専門の学校を卒業しないとなれなかったり、資格試験に受からないといけなかったり
(受験するのに年齢制限がある資格も多いよ)、若いうちに決断しないとなれない職業って実は多いのだ。
学校や資格の問題がなくても、年とともになりにくくなる職業ってのももちろんある。
雑誌とかに原稿を書くライターやカメラマン、放送作家なんかもそうだね。
工場で働くにしろ、レストランで働くにしろ、あるていど若いうちでないと
新たに始めるのはかなりつらいことだ。つらいだけならまだいいが、
採用されないっていう現実もあるだろうね。

 少しでも早くから、
なりたい職業、もしかしたらなれるかもしれない職業、なってもいいかなって職業をあるていど考えて、
それなりの準備をしていく必要がある。
 そういうのが何も見つからないなら、せめてパソコンに詳しくなる、とか、
本をいっぱい読むとか、何かしておかないと、とりあえずそのときできる仕事にありつくというだけの
人になってしまうかよ。自己責任というやつだね。



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